このサイトについて
私たちは輝かしい成功や華やかな成功者の物語に囲まれています。スマホをのぞくだけで、キラキラと輝かしいのは見た目だけではない素敵な人々による、華麗な生活や格好の良い生きざまが目に入ります。スマホをしまいごく身近な周囲を見わたしても、親類、隣人、友人、クラスメート、同僚、先輩、後輩、上司など、自分よりはるかに優れ、豊かに生きている人たちばかりに感じられるかもしれません。
できることなら彼ら彼女らのようになりたいと羨んだり、彼ら彼女らにくらべ、なぜ自分や自分のいる環境はこうも劣っているのだろう、惨めなのだろうと比較し、妬んだり、自己嫌悪に陥るかもしれません。同時に、憧れの対象にできるだけ近づくことを目標とする野心は、私たちに日々を生きる動機や活力を与えてくれたりもするでしょう。世の中に溢れ、メディアや噂話で拡散される他者の成功の物語は、日々私たちを惑わせます。
とはいえ、それが大きな成功にしろ小さな成功にしろ、そのような物語の影には、表に出ることのない幾多の失敗が隠れているはずです。なぜなら、人間は成功をするまで、何度となく失敗をくりかえして成長する生き物だからです。また、華やかな成功と同じぐらいに、私たちは他人の失敗にも常に興味津々です。むしろ、他人の失敗を望んだり、それみたことかとあざ笑い、溜飲を下げたりすることのほうが多いとさえいえるのかもしれません。
もっとも効果的な学習法の一つに暗記があります。暗記は、いってみれば、思い出すことに敢えて失敗することで理解に欠けることがらを特定し、記憶の強化を繰り返す方法です。あらゆる練習に反復が欠かせないのは、私たちは失敗を繰り返し、それを修正することをとおしてさまざまなことを学ぶからです。
勉強のみではなく、生き方についても同じことが言えるでしょう。ただし、試験勉強といった範囲の定まった机上の勉強とは違い、人生が私たちに与える課題に規定はなく自由であり、時間には限りがあります。失敗を繰り返し続けるわけにはいきません。
歴史と法則性について、ノンフィクション作家の立花隆さんは次のような言葉を残しています。
歴史というのはやはり、自由意志を持って行動する人間たちが集合して作りあげるものですから。人間は常に失敗を繰り返すものです。個人的失敗と集団的失敗が交錯して織りなされる失敗のアラベスク模様が歴史なのだ、と言ってもいいかもしれません。そういう世界に法則なんてあるはずがないというのが健全な精神の持ち主の考えだと思います。
(立花隆『二十歳の君へ』)
確かに法則性についての合意がないために、世代を超えて、私たちは同じような失敗、同じような後悔、同じような反省を繰り返しているのかもしれません。あるいは、そういう失敗の繰り返しこそが、歴史の法則なのかもしれません。
失敗といってもさまざまです。個人の失敗にとどまらず、社会全体の失敗は、そのなかで暮らす私たちの生き方を左右するでしょう。さらに、何が失敗であるか、何を本当に後悔するかは、それを経験した本人にしかわからないこともあるでしょう。いずれにしろ、時限を過ぎた失敗は成功の糧にはならず、取り返しのつかない後悔の種になりえます。
ドラマや映画のネタになるような失敗であれば物語として語り継がれ、多くの人がそれから学ぶことができますが、大げさに語られない失敗に触れる機会はなかなか少ないのが現状です。そもそも、失敗や後悔について語ることには恥ずかしさが伴い、人々は語りたがらないということもあるのでしょう。しかしながら、語られることのない失敗や後悔こそ、自分を語るに足らない存在と考えている人々にとっては知ったり、反省する価値があると言えないでしょうか。
このような背景を踏まえ、この世のさまざまな失敗や後悔、反省の経験から、読者がさまざまなことを考えるきっかけを提供するために、このサイトを立ち上げました。
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令和6年4月1日 策定
令和6年4月7日 改訂